橘さん著書3冊目。
3冊目になると、確かに刺激が少なくなってくるのだが、
それでも学びは多い。
そもそもなぜこの本を読んだかというと、
エッセー的な事実(っぽいこと)の羅列で書くと色々と問題のあることも
小説にしてしまえば、書き切れる。
というような橘さんの意見を別の著書で読んだからだ。
さて、では本当に、小説でしか書けないことが書いてあるのだろうか。
答えは、読んでもらいたいところなのだが
筆者自身の評価としては、70%YES。
ただ、書かれていることが、基本的には節税のためのタックスヘイブンの使い方
資産の動かし方なのだが、書かれ方が細かいため、これをリアルの世界に適用することは
おそらく不可能だろう。
さらには、この小説は2003年のものなので、15年以上も前のもの。
そのため、ここに書かれていることが、違法になっていたりして、全く通用しない内容になっている可能性も高い(確かめてはいない)。
純粋に、小説としてどうか。
率直に面白い。
もちろん、橘さんは一般的に小説家という人ではないから(たぶん)、
小説としての強弱、物語の展開という意味では、結構ゴリゴリな感じがあり
強弱があまりない。
しかし、強弱まで求めるのは酷かなという感じもあるので、そこは目をつぶろうと思う。
あとは、いろいろな小説にあるように、景観の描写は頑張っているなあと思うところがあるが
言葉の選び方も頑張っているのだけれど、全体の力感が反映されているので
まあ力が入っている。
橘さんは、いつでも明日は我が身、個人が経済的に消滅することの恐怖については、リアリティを持って体感しているのだろう、
そういう恐怖感のようなものを、感じ取ることのできる書き込みがなされている。
筆者は香港には行ったことはないが、
一度は行ってみたい地域ではある。
また、筆者は仕事で一時期海外をそれなりに訪れたことがある。
中国でいうと、北京、上海、広州あたり。
これらの都市に行ったのが、今から7~8年前なのだが、今行くと、かなり変化があるのではないかと考えている。
都市の時系列の変化を肌で感じることは、仕事という意味でも、そして生きていく中でも、興味深い体験ができる機会だと考えているので、
香港やシンガポールは行ってみたい、行っておいたほうが良い都市であるに違いないと考えている。
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