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橘玲さんの「タックスヘイブン」は橘ワールドが好きなら面白い

橘玲さんの著書「タックスヘイブン」を読んだので、その所感です。

橘さんは基本的に、合法的な節税こそが資産を最大化する方法だという発想を持っています。

なので、「マネーロンダリング」でもそうですが、

橘さんが考える、合法/脱法の節税メソッドを駆使して、大金を動かすことで様々な人間が、浮き沈みするのが基本的なストーリーです。

今回のタックスヘイブンもご多分に漏れず、主人公は切れ味鋭い元エリート金融マンで、グローバルに活躍していましたがアングラに落ちる。

その世界には、大物政治家や経営者が跋扈しているのですが、その中で人間が入り乱れて時間がおき、その関係者の狙いが交錯していく、

というような内容になっています。

「マネーロンダリング」と少し違うのは、時間の経過が手伝ってか、舞台が香港からシンガポールに移っていることなどですかね。

これより先はネタバレの可能性があるので注意です。

橘さんのストーリーは、あまり大きく変化はないのですが、

今回改めて感じたのは、橘さんの描写がいい意味で安定しているということです。

例えば、主人公の志向(酒の種類、タバコの種類、性格、セリフの言い回しなど)、

食事の様子、風景の様子、と言った、形容の仕方でなんとでもなる部分を思いの外、しっかり書かれています。

内容もさることながら、そうした描写が無骨に感じ、それを橘ワールドとして感じ取ることができ、

読み進めるのが非常に楽しくなる、というのが読後感ではあります。

この物語が、実写化されたらどんな俳優がハマるだろうか、というところまで想像させてもらえる、内容になっていると感じています。

また、物語にはお決まりのヒロイン的な登場人物が、暗躍していたり、今回に関しては、フィクサーの影なども感じさせ、

リアリティもありますね。

それにしても、本当に合法的な節税が、資産形成の近道なのでしょうか。。。

内容はもちろん小説なのでドラマチックに書かれています。

橘さんの経験則などを学ぶには別の書籍が適当ではありますが、

少なからず、橘さんの世界に出てくる、元金融エリートのように、大金を動かすことで

大金を稼ぐ、そういったビジネスが現実にもあるのであれば、多分に興味が湧くところではあります。

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