これはもう、知る人ぞ知る、名著です。
『夜と霧』
1946年に出版されたヴィクトール・フランクルのナチスの強制収容所経験に基づいた内容。 日本語訳はみすず書房が出版しています。
Kindleでも1300円くらいになってしまうので、中古本とかの方がいいかもしれないですね。
(以下より、ネタバレありますのでお気をつけください)
すごくリアルです。
精神科医の視点から、強制収容所の状況を描いています。
物理的な状況とともに、精神的な状況をつぶさに描いていて、非常に精度の高い書籍です。
すごく上ずみの感想としては、こんな状況にある世界があったのか、、、というものです。人間がまさかこんな状況を作り出しているとは。
強調されていることは、この特異な状況ではなく、普遍的な人間について、だと思います。
人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。
この一節は非常に深いものがあります。
なぜ人間が、同じ人間を軽く扱えるのでしょうか。収容所の管理者と、収容された人はどう違うのでしょうか。
著者は、ユダヤ人の精神分析学者で、生還してきてからこその著書なのですが、ご家族は収容所で失ったようですね。
名著なので、すでに各所での感想は大量にあります。
ここでお伝えしたいのは、確かに暗い部分もありますが
この本によって人間や、受動的な生命についてではなく、能動的な生きていくことに関しての理解が深まるように思います。
また、生きる目的はなんなのか、あるのかないのか、、、というような、メタ認知に触れるための入り口になる書籍かと思います。
この本は、時間をおいて繰り返し読むことで、自らのメタ認知を確認したり、その変化を認識したりすることができる書籍という意味で、1300円は非常に安いと感じます。
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