ストックオプション。
未上場の会社が、その従業員らに対して、事前に安価で自社株を提供(購入させ)、
上場した際、株価が跳ね上がると、その分が利益になる。
(上記は仕組みの解説としては過不足があると思うので、独自に調べていただきたい。)
筆者は、ストックオプションによる利益を得たことがある。
その際は、おおよそ、ストックオプションを使って、普通自動車を購入する原資になるくらいの金額を得た。
(普通自動車といっても幅があるのでそこは濁しておく)
株購入の元手の2倍程度の利益を得た。
筆者が体験したストックオプションの購入は、
未上場企業に勤めつつ、その企業が上場を目指し始めたタイミングで、
何回かに分けて、ストックオプションの付与があった。
その際に株を買わねばならず、まとまった金を持っていない場合は
親族などに借金してでも、原資を集める方が良かったのではないかと、今になっても感じている。
つまり筆者は、借金などはせずに、自分で買える範囲でストックオプションを買ったので
権利を全て使ったわけではない。
権利ないの金額全額でストックオップションを購入していれば
利益もまた実際よりも膨らんでいただろうと考えている。
ストックオプションは、ベンチャー企業の退職金のような役割を果たしているとよく言われる。
新しいITやベンチャー企業は退職金がないところが多い。
そのため、まとまった金はストックオプションくらいでしか得られない。
このストックオプションを狙ったキャリア形成ももしかするとありかもしれない。
Amazonなどは自社株の購入などで、従業員の資金形成を促す仕組みを用意している。
筆者に関していえば、ここで、資本主義の厳然たる事実を痛感した。
勤めている企業は、非上場であれ、株式会社であれば株主のものであるということだ。
それは、勤めている企業が未上場から上場企業になるとよくわかる。
上場のセレモニーでは、会社の所有者たる株主たちが登場するのだが
この株主たちの顔を従業員は知る由もない。
いきなり登場して、私はこの会社の所有者です、という振る舞いなのだ。
従業員からすると、特に未上場の時は、おらが事業、という気概でサービスを展開している従業員がほとんどではないだろうか。
その流れからの上場と、株主の登場は従業員からすると、一気にしらけるというか、
資本主義というルールでは資本家が「主」で、従業員は「従」なんだという事実を知ることになる。
ストックオプションはそうした資本主義のルールに則って、
資本家が従業員を、資本家っぽくするための小手先の仕組みのように見える。
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未上場会社に起こる、株格差
ストックオプションが典型だが、
このように株をばらまくと、その会社社内では株の持分による、格差が生じる。
つまり、株をたくさん持っている従業員は、会社の成長に伴い
個人の資金拡大が大きく付随する。
株を持っていない従業員は、給与が増えることはあれ、
まとまった額の資本はなく、会社に対するコミットメントは株を持っている従業員に比べると、弱くならざるを得ない。
この個人の資金と会社の成長のコミットメントが深い場合はモチベーションは高いだろうし、
逆であれば低いだろう。
筆者は実際にそうした組織に身を置いていたが、
大抵、株を持っていないのは社歴の浅い若い人で、株を持っているのは高齢者である。
たまに、古株(例えば学生時代からたまたまバイトしていた)でも
若めの人もいて、会社の年次が高いともちろん株のコミットも深いので
そういう人も少なからずいる。
ベンチャー企業では特にそういう人も一定登場するので、起業まではしなくても、若くして資産を保有する人も存在してくるのだろう。
または、こうした若い会社にコンサル会社からコミットして、結果として役員などとして参入する場合も少なくない。
その場合もまた、若くして役員になり、会社の所有者になるという意味で、時間をかけずに深いコミットメントに達する。
資本家になるには、いくつか方法があるともうのだが、
上記のように、
・起業をしなくても年次の若い会社にジョインし、株をコツコツ買って所有者に近い位置につく。
・コンサル会社に入って、会社の経営にコミットし経営に近いところに参入する。
というのが、資本家への道ではないだろうか。
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